繁華街を巡回し、事情を抱えた子供達の救援活動をする教育評論家・篤志。マスコミへの露出も増え「見回り先生」と呼ばれ有名になっていた。 妻・千賀子に代わり食事を作る篤志。帰宅した妻の妊娠報告に心から喜ぶ。深夜、無理しない程度ならば平気だという医師の言葉を信じ、二人はそっと愛し合う。 数日後。千賀子の父が入院したと報せが入り、急遽、千賀子は帰省する。テレビ出演が控えていた篤志は残った。その日は彼の誕生日だった。二人で食べる予定だったケーキを手に帰宅すると、ドアの前でしゃがみ込む若い女・香澄がいた。彼女は部屋の前住人を訪ねてきたようだった。だが、帰ろうとした彼女は空腹で倒れてしまう。篤志が家に通し、食事をさせると、香澄は上京して他に知り合いもなく、実家への連絡も拒絶した。彼女を助けたい一心の篤志は、強引なまでの甘い誘惑に負けてしまう。 妻への裏切りで自己嫌悪する篤志は、彼をこの道へと導いた、児童相談所の心理士・戸田を紹介しようとするが、香澄はそれを拒み、いつしか話題は篤志と千賀子の幸せな家庭を壊すための恫喝へと変貌する。そして、彼女は怪しげな笑みを残し、去った。 安堵する篤志の前に、今度は修道服を着た女・沙希が訪ねて来た…。
